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全ての国民が「デジタル社会」で幸せに暮らせるために

2018/07/20
私は現在、自民党のIT戦略特命委員長として議員立法によるデジタルファースト法の実現に向けての取り組みをしています。現在、準備中のデジタルファースト法では「安心・安全で便利な行政」=「ハイタッチなガバメント」というメッセージを掲げているのですが、「ハイタッチ」というと、「手と手をあげて叩きあう仕草」だと思う人が多いかもしれません。しかしこれは和製英語で、本来の意味でのハイタッチとは「人間的な触れ合い、優しさ、思いやり、おもてなし」等を指す言葉なのです。最近では政治の世界でも「ペーパレス」(会議等で紙の資料を使わない)や「キャッシュレス」(現金を使わずクレジットカードや電子マネー等を使う)といった単語が聞かれるようになってきました。今回は私がなぜ、こうした「ハイタッチな行政」を目指し、デジタル化を推進しているかをご紹介したいと思います。

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行政手続きをデジタル化すると言うと、「これまでは役所で職員の方が直接対応してくれていたのが全てPCに代わってしまい、かえって分かりにくくなる」と懸念される方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは大きな誤解で、今の行政サービスより便利にしていくことこそが狙いなのです。例えば、今の行政では同じような書類を何度も書かなければならないような場面があります。これは、皆さんからの申請を「紙」で管理しているから起こり得る状況なのです。部署が変わっても情報は引き継がれず、もう一度同じような申請が必要になる。もっと言えば、これまでは国民の皆さんが自分で申請しなければ、行政サービスを受けることができませんでした。申請主義と言われるものです。役所には紙でしか皆さんの情報がなかったため「どんなお手伝いが必要か」が分からなかったからなのです。もしこれがデジタル化されれば、「◯◯さんは◯歳になったから、この補助金の申請が必要ではないか」と役所の方から連絡が来るようになるかもしれません。こうなれば、今よりも行政サービスがずっと身近に便利になるはずです。もちろん、例えば「IDやパスワードだと不正ログインされてしまうかもしれない」「高齢になると自分のパスワードを忘れてしまうかもしれない」といった懸念はあるでしょう。そこは、指紋認証や音声入力といった新しい技術で解決できるようになり、ICTに慣れていない方に向けたサポート体制も重要になると思っています。

「行政や政治のデジタル化」がやっと話題の中心になりつつあります。デジタル化自体が目的になってしまっているような間違ったケースもあるかもしれませんが、あくまでも、デジタル化は手段なのです。

例えば、私が委員長をつとめる自民党IT戦略特命委員会では完全なペーパレス会議を実施しています。その結果として、3年間でコピー代や用紙代など約1,400万円のコスト削減を実現しました。加えて、印刷、差し替え、封入、運搬、配布、追加などの事務的な作業コストを考えると、ペーパレス化のメリットは計り知れません。「手段と目的を履き違えない」ということでは、私たちが取り組んでいるデジタルファースト法では、「いつでもどこでも、行政サービスにアクセスできる環境」を心がけています。あらゆる行政手続きをスマホで完結できるようにして、国民の皆さんが便利であると感じられるようにすることが大前提です。この前提がブレてしまうと、何のためにデジタル化するのかが分からなくなってしまいます。だからこそ、デジタルファースト法は、「省庁の縦割りに縛られず、国民の皆さんの利便性を第一に考える」。これこそが、国民の負託を受けた政治家が担うべき役割だと思っています。私がこれまでにかかわったIT関連の議員立法は、サイバーセキュリティ基本法、官民データ活用推進基本法があり、今回3本目となる「デジタルファースト法」は私のIT政策の集大成とも言うべき法案だと思っています。

 

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もう1つ、私が法律を作る上で大切にしているのは「プレゼント・プッシュ」と「フィーチャー・プル」という2つの考え方です。「プレゼント・プッシュ(Present Push)」とは、現在からの発想、つまり「現状を捉え、いまある課題を解決する」こと。そして「フィーチャー・プル(Future Pull)」とは未来からの発想、つまり「実現したい未来のために提案する」ことです。当然ながら、デジタルファースト法も実現したい未来のための「フィーチャー・プル」という考え方で準備している法案なのです。ご存知の通り、日本は世界に類を見ないほど超高齢化・人口減少社会が進んでいます。国や自治体が使える予算も間違いなく縮小していくでしょう。これまでは紙が中心の行政でも十分に通用したかもしれません。しかし、ここまで情報技術が発達した現在においては、紙の書類のままでは、コストや効率など様々な面での弊害が明らかになってきました。例えば、平成29年4月には地域消費喚起のために2,206億円分のプレミアム商品券が配布されましたが、これを全国に配るための事務手続に526億円もかかっているのです。信じられないコストです。さらにまた同じような商品券を配ろうとすれば、同じだけコストがかかるのが現在の行政サービスなのです。これらの問題を解決する唯一の手段が思い切った「デジタル化」への移行であり、日本の未来を考えれば、今すぐに取り組まなければならない最も重要な政策だと考えています。超高齢化・人口減少社会を世界で最も早く克服するために、国民すべてが安心して「デジタル社会」に移行することこそが必要だと確信しています。

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