金融機関による不良債権処理の前提条件としては、不動産流通市場の整備を進めることや、より基本的には成長産業育成による産業構造の高度化が不可欠である。しかし問題の緊急性や疲弊した金融機関の経営体力、あまりに巨大化した不良債権の規模等を考えれば、金融機関自身による不良債権の最終処理を条件に、一部を公的資金の再注入で補うこともやむを得ないと判断すべきである。 その過程では、次のような配慮が不可欠である。
資産デフレの罠から抜け出すには、財政支出の拡大では効果が少なく、量的金融緩和が適切な対策である。 日本銀行も最近その方向へ一歩踏み出したものと見受けられるが、より実効あるものとするには施策の中身を一層充実することが求められる。 例えば、消費者物価に二〜三%といった安定目標を示し、それが実現するまで十分なマネタリー・ベースを供給し続けることなども検討に値しよう。 また日本銀行の独立性に十分配慮した上で、安定物価目標を政策委員会の議決事項とすることも考えられる。