旧式(レガシー)システム見直しに関する申入れ
平成16年4月26日
e-Japan重点計画特命委員会
戦略強化チーム
電子政府の推進については、e-Japan重点計画特命委員会として昨年三月、「電子政府及び各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議に関する申入れ」を行った。旧式(レガシー)システム(以下「レガシーシステム」という)の見直しについても、本戦略強化チームが発表した「レガシーシステム改革指針」に従い、政府は、レガシーシステムの抜本改革のための行動計画を含む「電子政府構築計画」の策定、CIO補佐官の設置、人事・給与等業務・システム最適化計画をはじめとする政府全体の業務・システムの最適化に向けた取組みなど、一定の成果が得られたところである。
しかしながら、現時点において、一部に個別のレガシーシステム改革ばかりに集中し、政府全体としての業務改革やシステムの最適化を検討していないのではないか、まさに『木を見て森を見ず』の状態ではないかと懸念されるところがある。  
そのため、本戦略強化チームでは、引き続き、動向をモニタリングしていくこととするが、高度な行政サービス、行政組織等の減量・効率化、IT投資の合理化を実現し、ITによる行革を強力に進めるため、ここに改めて各府庁に対し申し入れを行う。
政府においては、今後策定する「骨太方針2004」に本申入れを盛り込むなど、電子政府の推進にあたり確実に反映されることを強く要請する。  
さらに、レガシーシステムの改革の取り組みには、システム毎の事情も十分に留意しつつ、一定の基準に基づき、評価を行うことが有効と考えられることから、ここに項目ごとの留意事項を示すので、これを今後の方針とされたい。本戦略強化チームとしても、最大限のサポートをする覚悟である。
一.業務・システムの抜本改革について
(一) 刷新可能性調査、業務・システム最適化計画について
  1. 刷新可能性調査は、レガシーシステムを刷新することでROI(投資対効果/Return On Investment)を高めるための調査であるので、コスト及びリターンを明確にすること。
  2. 最適化計画は、単なる個別システムの見直しではなく、業務の見直し、改革による行政の効率化・合理化を進める計画とすること。計画にはこれらの効果・目標を数値により明らかにすること。また、全体最適の観点から組織横断的に取り組み、特に、内部管理業務に関しては、徹底したシステム統合により重複投資を避けること。システム導入ありきではなく、業務の改革を行った上で、システムの統合をおこなうこと。
  3. レガシーシステムの改革に当たっては、システム構成及び調達方式の抜本的な見直しを行うとともに、徹底した業務改革を断行し、30〜50%のシステムコスト削減及び業務運営の合理化を実現すること。
  4. システム刷新による経費の節約分については、IT戦略的投資に活用すること。
  5. データ通信サービス契約による随意契約を取り止め、競争入札による委託契約にすること。
また、データ通信サービス契約を解除する際、生ずる一定の支払いがある場合、これを「残債」として、額を算出すること。
(二) 予算、体制整備について
  1. 各府省は、最適化計画と予算編成を連動させ、IT投資に係るマネジメントサイクルを確立すること。
  2. 財務省及び総務省は、予算編成過程を通じてこれを評価し、厳格な査定を行うとともに、府省横断的な取組みや投資効果の高い取組みに対し重点的に資源投入するなど、メリハリのあるIT投資を図ること。
  3. 業務・システムの最適化にあたっては、CIOの陣頭指揮の下、情報システム部門のみに任せることなく、組織・定員部門及び政策部門も積極的にリーダーシップを発揮し、行革の視点から戦略的に取り組むこと。
  4. 業務・システム最適化計画から新システムの仕様書策定までの作業では、CIO補佐官会議での審議・評価等を経ること。
(三) その他の留意すべき事項
  1. レガシーシステム改革に関して、民間事例、海外事例、他省庁事例等を収集し、評価すること。
  2. 刷新可能性調査からシステム調達、運用に至るまでの資料・データは全てインターネットで誰でもダウンロードできる状態にすること。
  3. 民間や諸外国のシステムとの相互運用性を保つこと。
  4. 刷新後のシステムは、国際標準、業界標準、事実上の標準の設計技法や開発管理技法を活用して開発すること。
二.高度な行政サービスとIT投資の重複排除について
(一) 電子入札システムについて
  国土交通省及び総務省が構築している公共及び非公共の電子入札システムは、内閣官房がそのリーダーシップを発揮し、関係するシステムの統合化を図り、公共・非公共に区別されない利用者にとって便利で使いやすいシステムへと充実・発展させること。
(二) 電子申請システムについて
  1. 利用者にとって便利で使いやすいものとするため、各府省の電子申請システムを統合し、申請方法等を統一すること。
  2. オンライン利用を促進させるため、年間申請件数の多い手続を重点に、業務の効率化による手数料の引き下げ、添付書類を含め手続そのものの簡素化・合理化の徹底、業務処理の短縮化を図り、オンライン利用の利便性を実感できるようにすること。
(三) その他、各府省に共通するシステムについて
  各府省に共通するシステムについては、無駄な重複投資を排除し、効率的な予算執行を実現するため、各府省が個々に同様なシステムの開発を行うやり方を改め、政府全体で一元的なシステム構築を行い、全府省が利用するようにすること。
以 上