| L-Japan構想 〜スペインに学ぶ地域再生〜 |
日本経済は回復基調にあるが、未だ地方の状態は惨憺たるものである。地方経済の活性化がなければ、本格的な経済再生は不可能だ。「三位一体改革」の呼号の元、地方への財源移譲論議は喧しいが、従来どおりの官主導の発想、行政による分配感覚では、何も変わらない。地方自らが、自分達のまちのあるべき将来像を真摯に模索し、その計画の実行性を充分に精査した上で財源の移管を求めるのでなければ、本来の意味での地域再生・地方自立はなし得ないだろう。 その手掛かりを、スペインの中核都市・バルセロナに見た。経済成長著しいスペインにあって、かの都市はその斬新な都市再生プロジェクトで世界の注目を集めている。ハコモノ行政的な社会インフラ新設に固執することなく、古い施設を柔軟に活用し、街のイメージを保持しつつ再開発する。その特徴は、土地の重層的かつ多目的な利用だ。 こうした「バルセロナ・モデル」のベースには、EUの構造政策(地域政策)の大方針がある。加盟国間の格差是正を目的とした構造調整基金による都市活性事業は、イニシアティブを自治体独自のプランに預け、自治体への直接助成によって行われる。その選定の基準は、サスティナブルな都市の発展と市民生活の質の向上に置かれている。施設整備など単発の事業は対象とされず、インフラ整備と環境・社会・経済支援が連携した都市戦略でなければ助成はなされない。 日本の地域再生もこれを範とし、地域主導・民間主導、そして内容評価にシフトすべきである。個人、企業、団体の別を問わず、アイデアと実行ノウハウのあるところに国が直接出資するイメージだ。その基準となるべきは、「結果責任の重視」である。もとより継続不能な都市再生プランでは意味がない。独創的かつ戦略的な再生策を軸に、多様な事業が民間ベースで発生し、需要と雇用が生まれてゆく発展性をもったものであるべきだ。そのためには、今まで軽視されてきた結果の評価システムの充実が不可欠だ。 今の地方に必要なのは、横並び意識から脱却して、積極的に不均衡のリスクをとることである。精神のデフレ状態からは、斬新なアイデア、魅力的なプロジェクトは生まれない。そのためのキーワードは"L"だ。Life(生活感のある)、Love(愛情に溢れた)、Lively(元気で)、Lasting(持続可能な)、Local(地方)…。デジタル技術を駆使した小さな政府が「e-JAPAN」であるなら、地方再生は、あくまで豊かな人間生活をベースにした、アナログ的な「L-JAPAN」をコンセプトに推進されるべきである。 |
| 衆議院議員 平井 卓也 |