電子政府及び各府省情報化統括責任者(CIO)
連絡会議に関する申入れの要点

自由民主党 政務調査会 e-Japan重点計画特命委員会
平成十五年三月二十五日
自由民主党政務調査会
e―Japan重点計画特命委員会委員長 麻生太郎
わが党は、「e―Japan重点計画」の着実な実施をはじめ各般のIT施策を精力的に審議・実施してきたところである。

電子政府の推進については、当委員会として昨年八月、「電子政府に関する申入れ」を公表したが、政府ではこれを受け、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議の設置、官房基幹業務における業務分析等を実現するなど、一定の進捗を見たところである。

CIO連絡会議は、単なる行政手続の電子化だけでなく、国民の立場に立って、より分かりやすく利用しやすい電子政府を実現することを目指して、検討を続けているが、今後、わが国が世界一の電子政府を構築するという目標を達成するため、政府は、昨年八月の当委員会の「電子政府に関する申入れ」の内容を全て遵守されたい。加えて、以下に掲げるとおり、CIO補佐官の創設等の体制整備、徹底した業務の合理化、電子政府に関する予算の機動的な運用、各省庁の情報システムの見直し等の所要の措置を講じるよう申し入れる。

引き続き、政府・与党が一丸となって本申入れの内容を実現するよう、強く要望する。

1.体制整備に関すること
(1) 電子政府推進体制の一層の強化
  1. 電子政府の推進に関し、内閣官房に責任と権限を持って、全体的戦略やガイドラインを策定し、省庁間の調整を行う組織を強化し、そのために必要な措置を講ずること。
  2. この組織は、専門的知見を有し、独立性・中立性を有する外部の専門家を積極的に活用すること。
(2) CIOの選任について
  1. 各省庁CIOは、業務全般に責任を持つ者を選任すること。
(3) CIO補佐官の創設について
  1. 各省庁は、業務の流れと情報システムを効率的に結び付けるため、専門家を育成するとともに外部人材を活用すること。
  2. 当該外部人材は、改革後の姿を描き、実現するため、CIO補佐官となること。高度な国家安全保障に係る場合は、内部人材の活用を行うこと。
  3. 各省庁は、CIO補佐官について、その役割を文書で明確化するとともに、スタッフ、報酬等を充実し、有能な人材を確保し、実効のある体制を構築すること。総務省、人事院は、外部人材採用の際の報酬等について必要な制度改正を行うこと。
  4. 各省庁のCIO補佐官による横の連携を図るため、各省庁のCIO補佐官の連絡会議を設置すること。
2.手続の見直しに関すること
「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律」 及び「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」については、 本年二月に施行されたが、各省庁は、手続きに関して、昨年八月の「電子政府に関する申入れ」に従った形で政令、省令等を整備すること。
3.業務の効率化について
(1) 電子政府構築計画について
  1. 財務省は、昨年発表した「業務見直しに向けての作業の雛形」に具体的な数字を入れるなど、より具体化した形で公表し、電子政府構築計画に反映させること。
  2. 各省庁は、昨年八月の「電子政府に関する申入れ」に基づく業務分析調査の結果を速やかに公表することとし、業務改革に向けた取組みについて、電子政府構築計画に全て反映させること。
(2) 官房基幹業務について
  1. 会計、人事、厚生、共済、調達などの官房基幹業務について、手続きの簡素化、共通化、情報システムの導入、アウトソーシング(外注化)等を実現するため、財務省、人事院等は、民間における類似業務の取扱いを参考にしながら、国家公務員等の旅費に関する法律(旅費法)、一般職の職員の給与に関する法律(給与法)、物品管理法、会計法、国家公務員共済組合法、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律等の全面見直しに直ちに着手し、早期に必要な廃止又は改正案を提示すること。
  2. 特に、公務員が物品購入や出張の際の経費支出等にクレジットカードを幅広く利用することが可能となるようにすること。
  3. また、公務員の給与支給については、全額金融機関振込を原則とすること。
(3) 法制について
  1. 国民にとってわかり易い法制にするとの視点から、法令改正における「改め文」方式、準用規定、読み替え規定の原則廃止等、徹底した簡素化及び合理化を行うこと。特に法改正プロセスにおいて、新旧対照表での改正を原則とし、「改め文」方式の方が効率的な場合にのみ、例外的に「改め文」方式とすること。
  2. さらに、法案の説明・国会提出等のプロセスや予算要求等の際の膨大な紙でのやりとりを廃止して必要最小限とし、電子的にも行えるよう検討を進めること。
4.予算の効率化に関すること
(1) 電子政府に関する予算枠の設定について
  1. 各省庁の改革意欲を高揚させ、かつ、最新の技術動向を踏まえて合理的な技術選択を逐次行わせるため、財務省は、各省庁ごとに電子政府に関する複数年度にわたる予算枠を設定し、各省庁が、その枠内であれば、債務負担行為の設定、費目間転用を自由に行えるようにするなど、各省庁のIT投資の自由度を確保すること。枠は、過去五年間の予算額、代替する技術によって削減可能な経費等を総合的に勘案して設定すること。
  2. 同時に、執行自由度の拡大が悪用されないように、各省庁は関連する契約等を全て公開すること。また、会計検査院は適正に検査を実施すること。
  3. 財務省は今後の財源の緊縮を鑑み、成功報酬型契約等、行政サービスにおける民間の経営資源活用について会計制度面(調達及び契約)からの検討を行い、早期実現を目指すこと。
  4. 各省庁は情報システムの導入に際して、外部の監査法人等を活用して導入費用の十分な精査を行い、その結果を公表すること。予定よりも導入費用を削減できた場合には、削減分を精査した者と各省庁とで有効活用できるように、財務省は予算制度を見直すこと。
(2) システムの改革について
  1. 複数の省庁が類似のシステムを導入している場合、システムの統合や共同利用ができるようにするなど、政府全体の業務・システムの見直しを行うこと。そのために、各省庁のシステムの概要をCIO連絡会議で共有できるようにすること。
  2. 旧式(レガシー)システムについては、別紙「旧式(レガシー)システム改革指針」に従い、改革を進めること。
5.電子政府構築に関すること
1. CIO連絡会議は、昨年の八月の「電子政府に関する申入れ」及び本申入れを踏まえた「電子政府構築計画」を本年六月末までに策定すること。
2. 「電子政府構築計画」は各省庁ごとのものではなく、全省庁で一つのものを策定すること。
以 上