| 奥井: |
通信や放送のコンテンツが整備された後、その上でサービスするコンテンツはどうなっていくのでしょうか。 |
| 平井: |
そこが重要です。次の世代の日本のクリエータは、海外で通用するものを作れると思います。それもジャパナイゼーションが進化した形でしょう。
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| 奥井: |
その兆候は見えますね。現に、浜崎あゆみ他、日本のシンガーたちが東南アジアではスーパースターになりましたね。国としては、コンテンツ育成に対してどのようなスタンスをとるべきでしょうか。 |
| 平井: |
それは、コンテンツの価値を認めるシステム作りでしょう。とくに海外進出を考えますと、著作権保護が重要になってきます。ゲームの世界も、まさにこの要素が不可欠ですね。 |
| 奥井: |
ただ、クリエータを国で支援するというのも少し違和感がありますね。 |
| 平井: |
そこには、クリエータが認められるような環境作りが重要になるのです。たとえば、スペインでは100年周期で数名の天才画家が生まれると言います。これは、ある意味では国策と言えます。そのために、できうる限り多くの人の作品を見たり審査に参加させたり、あるいは美術館を作って、場合によっては観光資源にも利用しますね。アメリカの場合、映画がそうです。 |
| 奥井: |
日本でも、最近やっとその傾向が出てきました。宮崎アニメなどは、日本が世界に誇る作品でしょう。 |
| 平井: |
サッカーアニメの「キャプテン翼」などは、今ヨーロッパの子供たちが夢中になっていますね。ポケモンもそうでしょう。これは、かつて浮世絵が欧米の人たちに買われてしまい、日本からなくなってしまったという現象によく似ています。 |
| 奥井: |
今のアニメやゲーム、あるいはカラオケなどもそうでしょうが、ジャパナイゼーションから見ますと、100年後はその浮世絵のように、とても日本的になっているかもしれませんね。このように、今、日本的なものが海外に大量に発信されつつありますが、われわれ日本人はそこをあまり自覚していないようです。これをもっと自覚して、さらにコンテンツを世界に向けて発信できる環境が整えば、日本は本格的な爛熟期に入るのかもしれません。日本の歴史は100年サイクルで変動しています。つまり、戦争が起こり、新体制が確立し、この体制下で文化の爛熟期を迎え、そして崩壊するというサイクルですね。そう考えますと、今はまさにこの爛熟期とも思えます。この歴史サイクルから見ましても、日本的なものが出てくるのは、すべて爛熟期においてなのです。たとえば平安時代においては漢字からひらがなが誕生し、室町時代には床の間、畳や茶道などが、そして江戸時代には浮世絵や歌舞伎が、といった具合ですね。また、おもしろいことに爛熟期は、平安時代には遣唐使が廃止され、江戸時代には鎖国に入るといったように、海外との関係が薄くなったときでもあるんですね。いまの日本も少しこれに類似したところがあります。つまり、歴史から見れば、今は日本にとって最大のチャンスを迎えており、大変おもしろい時代にわれわれは生きていると思います。 |