中央及び地方政府の財政支出を増加させることも必要である。前年度比で、どこまでプラスにするかがポイントである。
民需がいずれも減少傾向にあるなかで、財政支出まで前年度比マイナスでは、デフレを加速させるだけである。新規発行国債を三〇兆円以内に押さえることを前提として編成された平成一四年度予算は、一般歳出が前年度比マイナス二・三%となっており、デフレ対応という観点からすれば、はなはだ不十分と言わざるを得ない。
確かに歳出構造を新しい時代のニーズに合ったものに組替えることに大変な困難が伴うのは事実であり、過去においてもそうした努力はおおむね既得権益グループの激しい抵抗の前に失敗を重ねてきた。そうした苦い経験に照らせば、三〇兆円枠という一定の制約を課すことで歳出構造の変更をめざす手法には、ポリティカルエコノミーの観点から一定の戦術的な意義も認められる。
しかしオーバーキルの可能性も無視できない現下の差し迫った経済情勢を考えれば、将来ビジョンの選択やそれに見合う形での歳出構造の組替えを完了した後で財政の本格出動に踏み切るという時間的な余裕は許されていない。これらを同時並行的に進めていかざるを得ないからこそ、一段と強力な政治的リーダーシップが求められてもいるのである。
そこで、一四年度当初予算の執行は思い切り前倒しし、年度の早い時期に財政投融資を含め大胆な補正予算編成に乗り出すべきである。「デフレからの脱却」を真摯に考える以上は、こうした対応もやむを得ざる選択である |