つまり、構造対策と同時に総需要政策が不可欠だということであり、そのいずれが欠けても、デフレ対策としては欠陥対策というほかはない。本年二月末に決定された「総合デフレ対策」は、デフレの根因除去を促進するとしている点においては正鵠を射たものである。しかし、総需要政策については全く言及していない。総合と言うに値するよう、早急に追加策を打ち出すべきである。
デフレに対しては、財政と金融が歩調を合わせて共にあたることが重要であるが、現状では財源の制約が大きいことを理由に、ややもすれば金融に偏しがちとなる。改めて総需要政策の重要性を再確認すべきであろう。
国民は経済的合理性にしたがって行動する。そのため、物価が持続的に下落するデフレ経済のもとでは、購買行動が必ず先送りされる。いま買うより、少しでも先になって買う方が有利だからである。このことは、家計においても企業においても変わりはない。その結果、民間需要は自ずから先細りとなり、放置すればスパイラル化が避けられないことになる。
そこで、ここから抜け出すためには次の二つの方策を実施して、総需要を支える必要がある。
第一は、物価が下落していても購買行動を先送りしないで、いま買う方が有利だと国民が判断するような条件を創出することである。
第二は、経済的合理性に縛られることなく行動できる経済主体、それはすなわち中央及び地方の政府が、大胆に需要を増やすことである。 |