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July 19. 2010 Monday
2010年7月19日(月) 晴れ 海の日
瀬戸内国際芸術祭2010 (http://setouchi-artfest.jp/) の開会式に出席。今日から瀬戸内海の島々を舞台としたアートの祭典が始まる。国分寺のふれ太鼓、漁船による祝福、真鍋知事、福武総合プロデューサーの挨拶のあと、駐日オーストラリア大使、駐日フランス大使の祝辞。参加者は、それぞれのコースに分かれてオープニングツアーに参加した。また、オープニングには大巻伸嗣氏によるシャボン玉のアートが華を添えた。
今回の芸術祭については、ベネッセの福武氏が直島に美術館をオープンした頃からその構想を聞いていた。福武氏は誰よりも、日本の里山や里海の素晴らしさを知る人物だ。また、ヨットで瀬戸内界を巡りながら、芸術祭の構想を温めていた。事業家としての手腕もさることながら、「経済は文化のしもべである」と言い切る大胆な文化人でもある。今日は、瀬戸内海を背景に挨拶する福武氏の言葉の端々から色々な思いを感じずにはいられなかった。
アートによるまち起こしは今でこそ日本各地で実施されているが、そのパイオニア的イベントは、12年前に新潟県十日町を中心に実施された田畑、民家、廃墟と現代アートを融合させた芸術祭だ。現在は、越後妻有トリエンナーレ (http://www.echigo-tsumari.jp/) として世界から多くの人が訪れるイベントとして認められているが、当初は多くの困難に見舞われたことは想像に難くない。地方の皆さん、特に高齢者が多い農村部に、一見すると奇妙奇天烈な現代アートの価値を認めてもらうのは大変なはず。その成功の裏には、今回の瀬戸内芸術祭でも実質的なプロデューサーを務める北川フラム氏の情熱と手腕に依るところが大きい。
私も11年前に、スペインの現代アートをコレクションした丸亀平井美術館 (http://www.rnc.co.jp/moto/) をオープンさせるに当たり、現代アートの価値、評価が確定していない作品群を紹介するのに苦労した。現代アートは、作家の精神性や感性によって、時として分かり難い表現になることも多い。また、インスタレーションや映像等は、受け入れがたい非日常的な空間を創造することさえある。現代アートというだけで、ちょっと敷居が高く、取っ付きにくいイメージがあるが、アートの基本は楽しむこと。心が豊かになれば良いのだが、観る側の先入観が邪魔をすることが多いのも事実だ。今回の瀬戸内芸術祭では、多くの皆さんが、非日常的な空間、瀬戸内海を巡る小旅行を楽しんでもらえることを願いたい。開館時から丸亀平井美術館に作品を展示しているジャウメ・プレンサ氏が今回の芸術祭に招待され、男木島に素晴らしい作品を完成させたことも私にとっては大変に感慨深いことだ。

瀬戸内芸術祭は、今日から105日間のロングランだが、越後妻有トリエンナーレのように、3年に一度は開催できる国際的な芸術祭に育って欲しい。アートは、未来を創造する力、人々の魂を鼓舞する力を持つ。また、瀬戸内海の島々を舞台にした今回のようなイベントは、間違いなく新しい「何か」を地域社会にもたらす。それは、必ずや地方の新しい発見や地域プライドの醸成に繋がるはずだ。また、海外や日本中から多くの方々が島を訪れることによって、今までは考えられなかった新しい「出会い」が起こるはず。芸術祭の成功を心から祈るとともに、一人でも多くの方々に参加して欲しい。
ダイアリー | 2010-07-19 ( 月曜日 ) | この記事のURL
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